PremierProを使ってみる

<概要>

⚫︎Web動画について
⚫︎Adobe Premiere Proについて
⚫︎動画制作について

⚫︎Web動画について

◼︎Web動画とは?
YouTubeなどの動画共有サイトからTwitterなどのソーシャルメディアサービスに至るまで、ウェブ上で観られる動画をWeb動画という。

主なWeb動画サービス
・YouTube
・TikTok
・Vimeo
・IGTV
・ミクチャ(旧MixChannel)

◼︎Webデザイナーが知っておきたい動画の知識とは?
動画クリエイターというお仕事をするわけではなく、Webデザイナーという立場で、映像にどう関わっていくのか?
昨今ではこれも難しい立場にあるかもしれない。
ひと昔ならSNSで動画配信をするなら100万円ぐらい先行投資として、機材や教材を購入して学ぶ必要があったが、最近ではスマートフォン1つあれば配信できる。

★Webデザイナーが意識しておくポイント:3つ
①5G(ジェネレーション)よる動画コンテンツの需要の変化
そもそも5GのGはジェネレーション
 1G…
 1980年代に登場したアナログ携帯電話
 2G…
 1990年代/通信がアナログからデジタルに移行/インターネット接続開始
 3G…
 2000年代/通信高速化/モバイル機器でのインターネット接続が一般化
 4G…
 2010年代/LTEという高速化技術とスマートフォンの台頭で生活やビジネスの利便性が向上
 5G…2020年~
 ①高速で大きな容量の通信ができること
 ②信頼性が高く低遅延の通信ができること
 ③多数の機器に同時に接続ができること

・5Gによる生活環境の変化
5Gによる生活環境の変化は今後の動向を見ていく必要があるが、既に体感できている環境として、どこでも映像を見ることが出来るということが挙げられる。
WebデザイナーならWebサイトに動画を埋め込む事に抵抗が少なくなっていることだろう。
参考:https://www.cross-c.co.jp/column/business/688/・

②短い動画によるプロモーション活動について
動画プロモーションとは?:
単純に「動画を活用して広告宣伝活動をおこなうこと」。
要するにTVCMの代わりと考えると解り易い。
具体的には縦長で見る15秒~1分ぐらいの動画のこと。

動画コンテンツの魅力とは?:
“文字を読んで理解する”など、観る人の能動的なアクションが求められる静止画と比べて受動的な人にも届きやすいことから、近年動画プロモーションを活用する企業が増えている。
また、インターネットの普及によって視聴者にとって動画が身近な存在になったことも、動画プロモーションが増えている理由。
参考:https://crevo.jp/video-square/usage/20190426/

③Web1.0 Web2.0 Web3.0について
◼︎Web1.0:1995年~2005年(ホームページ時代)
Web1.0 時代は「ホームページ時代」とも呼ばれており、Web1.0は1990年代半ばから2000年代半ばにかけて普及してきたインターネットやWebの総称と言われている。
Web1.0 の時代では情報の送り手・受け手が決まっていることを前提とした一方的な流れが可能であったものの、それ以上の機能は実現されていない。
まだWi-fiが普及していなかったWeb1.0の時代はインターネットへの接続に速度の遅い電話回線が使われており、動画の再生や画像の表示には膨大な時間が費やされていた。
・企業や個人の「ホームページ」
・GoogleやYahooなどの「検索エンジン」
・電子メールを送信・受信するための「メール専用ソフト」

◼︎Web2.0:2005年~2018年(SNS時代)
Web2.0は「誰もがWebを介して情報発信ができるように変化したWeb」のことを指し、ネットワーク機能を持つ全てのデバイスに広がるプラットフォームでもある。
Web2.0の出現によってこれらのサービスが普及したことにより、多くのユーザーにとってネットワーク機能を持つ端末から情報を発信することが容易になった。
更にPCやスマートフォンの普及によって利用者が増加したことで、情報の量は莫大なものとなると当時に、質の高い情報社会が形成されてきた。
・LINEやInstagramなどの「SNS」
・インターネット上での情報発信が可能な「オンラインブログ」
・オンラインのクラウド上における「チャットツール」

◼︎Web3.0:2018年~(ブロックチェーン時代)
Web3.0は「権力分散型のネットワーク」を指し、次世代におけるインターネットとも言われている。
Web3.0は近年世界中で注目を浴びており、「特定の企業に握られている個人の情報資産の分散化」を目的としたブロックチェーンの技術の活用が行われていることが特徴。
ブロックチェーンは仮想通貨などでも利用されるキーワードで、個人情報をそれぞれで管理する仕組みのことを指す。
Web2.0は特定の企業が用意したサーバーなどに情報が集約されていたが、Web3.0は個人のパソコンなどで情報が管理されるようになる。
・分散化とブロックチェーンの利用
・暗号通貨に対応
・人工知能の利用

※Web2.0の中央集権体制の企業 GAFMA(ガフマ)から、個人での情報共有の時代へ
Google(Alphabet) / Apple / Facebook(Meta) / Microsoft/ Amazon.com

インターネットが生活に欠かせないものになった「Web2.0」時代には、大きな課題としてGAFMAなどの特定の企業に世界中の個人情報が集中するこ
とで起こる、プライバシーの問題があった。
また個人情報が特定企業のサーバーで集中管理されることにより、サイバー攻撃を受けやすいというセキュリティの問題もあった。
それがWeb3.0では、ブロックチェーンの技術により特定の管理者が居ない個人での情報共有が出来る時代に入っている。

⚫︎Adobe Premiere Proについて

15秒動画制作のポイント
・考え方はバナーと同じ動く広告
・企画意図の理解を見せるのが重要
・動画をSNSへ、プラットフォームの主流

Adobe PremierAdobe Premiere Proとは:
アドビシステムズが提供しているプロ向けの動画編集ソフトウェア。
映画、テレビ番組、ウェブビデオなどあらゆる種類の動画制作に使用されており、世界中のプロの映像編集者からアマ
チュアまで幅広く利用されている。

◼︎Premiere Proでできること
【カット編集】
複数の動画クリップを繋ぎ合わせたり、不要な部分を切り取ったりすることができる。

【トランジション】
クリップとクリップの間に様々な効果(フェード、ワイプなど)を加えることができる。

【エフェクト】
色調補正、ブラー、シャープなどの視覚効果を加えることができる。

【オーディオ編集】
音声の調整、BGMや効果音の追加、ノイズ除去などを行うことができる。

【テキストとタイトル】
動画にテキストやタイトルを追加することができる。

【モーショングラフィックス】
アニメーションや特殊効果を作成することができる(After Effectsとの連携も可能)。

◼︎Premiere Proの特徴
【プロフェッショナルな機能】
映画制作にも使用されるほどの高度な機能を備えている。

【直感的な操作性】
初心者でも基本的な編集はすぐに始められる。

【他のAdobe製品との連携】
Photoshop、After Effects、Auditionなど、他のAdobe製品とシームレスに連携できる。

【豊富なプラグイン】
サードパーティ製のプラグインを利用することで、機能を拡張することができる。

【常に最新】
クラウドベースのサブスクリプション(Adobe Creative Cloud)で提供されているため、常に最新の機能を利用できる。

◼︎Premiere Proはどんな人におすすめ?
【プロの映像編集者】
映画、テレビ番組、CMなどの制作に携わる方。

【YouTuberやVlogger】
YouTubeやその他の動画共有サイトに動画を投稿している方。

【企業のビデオ制作者】
企業のプロモーションビデオや教育ビデオなどを制作する方。

【映像編集を学びたい学生】
映像制作の技術を学びたい学生。

【趣味で動画編集を楽しみたい方】
結婚式のビデオや旅行の記録などを編集したい方。

※YouTuberとは?
YouTubeにオリジナルの動画を投稿・配信する職業で、動画の企画・撮影・編集までを自身で行い、再生数に応じて広告収入を得て生活している。
YouTuberは流行や時事問題、バラエティ、ゲーム実況、料理など、さまざまなジャンルを扱う。
動画の企画や編集には、高いセンスや努力、柔軟な発想力が求められ、またトレンドをいち早くキャッチして、人気のある動画を継続的にアップしていくことも重要。
YouTuberには、YouTubeのパートナープログラムに登録して広告収入を得る狭義のYouTuberと、広告収入を得ていない、またはそれ程多くない広義のYouTuberに分類されるが、YouTubeのパートナープログラムに登録するには、一定の条件を満たす必要がある。

<YouTuberのメリット>
・知名度が上がればスポンサー企業から報酬を得たり、書籍を出版したり、テレビに出演したりするチャンスがある
・自分の好きなように仕事ができる

<求められるスキル>
・企画力:トレンドや自身にできることを考慮しながら、人気を獲得できる動画を企画する能力
・編集力:撮影した動画を面白く、わかりやすく編集する能力
・マーケティング能力:トレンドの推移をいち早く感じ取り、流行に乗っていく能力

※Vloggerとは?
動画版のブログである「Vlog(ブイログ)」を配信する人のことを指す。
Vlogは、自分の日常や好きなことを動画で表現するコンテンツで、近年日本でも注目を集めている。
Vlogは、YouTubeやInstagramなどの動画投稿サイトに公開され、またチュートリアルやハウツー動画など、情報主体の動画に形を変えることもできる。
Vlogを制作する際には、旅や日常、料理など自分が表現したいジャンルに合った機材を選ぶのが良い。
スマートフォンで編集できるアプリなどもあるため、専門知識がなくても始めることができる。

<Vlogの特徴>
・自分の視点で日常を切り取って共有する
・音や動きがあるため、テキストと画像だけのブログよりも臨場感を持って視聴者に情報を伝えることができる
・企画やシナリオベースではなく、自分が楽しいことを思い出に残すことを軸に制作する

⚫︎動画制作について

★15秒動画を実際に作る手順

①新規プロジェクトと動画ファイルの読み込み

※読み込めるファイル形式
・動画ファイル
AVI (.avi):古くからある形式だが、コーデックによっては読み込めない場合がある(特にMotion JPEG形式のAVIはPremiere Pro CC 2018以降で読み込めない事例が報告されている)。
DV-AVI形式は問題なく読み込める。
MOV (.mov):QuickTime Playerで使われる形式。
H.264やH.265(HEVC)など、様々なコーデックに対応。
MP4 (.mp4):広く普及している形式。
H.264やH.265(HEVC)などに対応。
Web動画やスマートフォンでの再生に適している。
MPEG (.mpeg, .mpg):DVDなどで使われる形式。
MPEG-1、MPEG-2など。
MKV (.mkv):複数の音声や字幕を含むことができる形式。
H.264、H.265などに対応。
WMV (.wmv):Windows Media Video。
Windows環境でよく使われる形式。
FLV (.flv):Flash Video。
かつてウェブ動画で広く使われていたが、近年は減少傾向。

・音声ファイル
MP3 (.mp3):広く普及している音声形式。
WAV (.wav):非圧縮の音声形式で高音質。
AAC (.aac):高音質な音声形式。MP4などと組み合わせて使われることが多い。
AIFF (.aiff):Appleが開発した音声形式。

・静止画ファイル
JPEG (.jpeg, .jpg):広く普及している画像形式。
写真などでよく使われる。
PNG (.png):可逆圧縮の画像形式。
Web画像などでよく使われる。
PSD (.psd):Adobe Photoshopのファイル形式。
レイヤー情報などを保持。
TIFF (.tiff):高画質の画像形式。
印刷などでよく使われる。
GIF (.gif):アニメーションGIFにも対応。

・プロジェクトファイル
.prproj:Premiere Proのプロジェクトファイル。
他のPremiere Proプロジェクトを読み込むことができる。
.aep:Adobe After Effectsのプロジェクトファイル。
After Effectsで作成したコンポジションを読み込むことができる。
.xml:Final Cut Pro XML。
Final Cut Proで作成されたプロジェクトをある程度移行できる。

・その他
AAF (.aaf):Advanced Authoring Format。
他の編集ソフトとの連携に使用。
EDL (.edl):編集リスト。
他の編集ソフトとの連携に使用。

② シーケンスとタイムラインについて

カラーグレーディング(Color Grading)とは:
映像作品において、色とコントラストを調整することで映像全体の雰囲気や印象を意図的に変化させる技術。
単に色を補正するだけでなく、映像に特定のムードや世界観を与え、ストーリーテリングを強化する役割も担う。

「ウィンドウ > Lumetriカラー」

・「ソースモニター」動画のトリミング:
「インポイントとアウトポイントによるトリミング > インサート」

※リップルについて
タイムラインの隙間のこと。
エラーの原因となるのでリップルが残らないようにする。

※サブクリップについて
元のデータを複製したモノをサブクリップと言う。
元のクリップを残しつつ編集したい場合に使う。

※静止画のクリップ
Photoshopやillustratorで作成したデータも取り込める。

・ツールパネルのツール
<主なツールとその機能>
選択ツール (V):
クリップやエフェクトなどを選択する基本的なツール。
ドラッグで複数のクリップを選択することも可能。

トラックの前方選択ツール (A)/トラックの後方選択ツール (Shift + A):
選択したクリップよりもタイムライン上で前方/後方にあるすべてのクリップを選択する。

リップルツール (B):
クリップの長さを変更した際に、後続のクリップを自動的に移動させタイムラインに隙間ができないようにする。

ローリングツール (N):
2つの隣接するクリップ間で、一方のクリップの終了点を変更すると、もう一方のクリップの開始点が自動的に調整され、全体の尺は変わらない。

レート調整ツール (R):
速度を上げるとクリップの長さは短くなり、速度を下げると長くなる。

レーザーツール (C):
分割したい位置をクリックするとクリップが2つに分割される。

スリップツール (Y):
クリップの内容はそのままで使用する開始点と終了点を変更する。
タイムライン上でのクリップの位置は変わらない。

スライドツール (U):
選択したクリップを前後のクリップとの関係を保ちながら移動させる。
移動に合わせて前後のクリップの長さが調整される。

ズームツール (Z):
タイムラインやプログラムモニターの表示を拡大/縮小する。
クリックで拡大、Altキー(Macの場合はOptionキー)を押しながらクリックで縮小。

ペンツール (P)
長方形ツール/楕円ツール
手のひらツール (H)
横書き文字ツール (T)/縦書き文字ツール

③エフェクトとエフェクトコントロールについて
エフェクト
映像や音声に様々な効果を加えるための機能。
トランジション(場面転換効果)とは異なり、クリップ自体に適用することで、映像の見え方や聞こえ方を変化させる。
「ウィンドウ」→「エフェクト」
→適用したいクリップをタイムライン上で選択し、エフェクトパネルからクリップにドラッグ&ドロップ or クリップを選択した状態で、エフェクトパネルでエフェクトをダブルクリックする

スローモーション
<「レート調整ツール」を使う方法>
クリップの長さを直接変更することで速度を調整する。

「レート調整ツール」(R)
→スローモーションにしたいクリップの端にカーソルを合わせ、ドラッグして長さを伸ばす。
クリップが長くなるほど、再生速度は遅くなります。
※クリップの長さが変わるため後続のクリップ位置も変わる(リップル編集)。

<「速度・デュレーション」コマンドを使う基本的な方法>
これは最も簡単な方法で、クリップ全体の速度を均一に変更する。

スローモーションにしたいクリップを選択
→クリップを右クリックし、「速度・デュレーション」を選択(ショートカットキーはWindows: Ctrl + R、Mac: Command + R)
→「速度」の値を小さくする
「デュレーション」の値も自動的に変更されるが必要に応じて手動で調整も可能
→「タイム補間」の項目で、スローモーションの品質を選択
※速度を遅くするとクリップの長さが長くなる。
複数のクリップを選択して、一括で速度を変更することもできる。

<「タイムリマップ」を使う方法(部分的な速度変更)>
クリップの一部分だけ速度を変更したり、速度変化を滑らかにしたりすることができる。

スローモーションにしたいクリップを選択
→「fx」を右クリックし、「タイムリマップ」>「速度」を選択
→クリップの中央に速度を表す線が表示される、それを上下にドラッグすることで速度を変更できる。
→速度を変更したい場所にキーフレームを追加。
キーフレームを追加するには、速度の線をCtrlキー(Macの場合はCommandキー)を押しながらクリック。
キーフレーム間の線をドラッグすることで、速度変化を調整できる。
線を水平にすると速度が一定になり、曲線を付けると速度変化が滑らかになる。
※クリップ内で速度が変化するアニメーションを作成できる。

※「タイム補間」について
「速度・デュレーション」コマンドや「タイムリマップ」を使用する際に、「タイム補間」という項目がある。
これは、速度変更によって不足するフレームをどのように補完する
かを設定するもので、スローモーションの品質に大きく影響する。

 フレームサンプリング:
 最もシンプルな方法で、単にフレームを複製して補完する。
 動きがカクカクして見えることがある。
 フレームブレンド:前後を合成し中間フレームを生成する。
 動きが滑らかになるが、ブレが発生することがある。
 オプティカルフロー:
 動きのベクトルを解析して中間フレームを生成する。
 非常に滑らかなスローモーションを実現できる。
 一方で最も高度な方法であり、処理にも時間がかかる。
 特に複雑な動きや被写体の境界線がはっきりしない場合に有効。

※スローモーション撮影時の注意点
・高いフレームレートで撮影する
スムーズなスローモーションを作成するためには、できるだけ高いフレームレートで撮影することが重要。
例えば、通常の再生速度が30fpsの場合、60fpsや120fpsで撮影することで、より滑らかなスローモーションを作成できる。
・シャッタースピードに注意する
スローモーション撮影時は適切なシャッタースピードを設定することが重要。
速すぎるシャッタースピードでは、動きがカクカクして見えること
がある。

フェードイン・フェードアウト
<不透明度を調整して映像をフェードイン・フェードアウトさせる方法 (最も一般的)>
タイムラインパネルで映像クリップを選択
→ウィンドウ から「エフェクトコントロール」
→「モーション」「不透明度」ストップウォッチアイコンをクリックこれでキーフレームが有効になる
→再生ヘッドをフェードイン/フェードアウト位置に移動
→不透明度の値を調整します。
 フェードイン:
 開始位置で不透明度「0%」、徐々に現れるようにしたい位置で「100%」
 フェードアウト:
 開始位置で不透明度「100%」、徐々に消えるようにしたい位置で「0%」
キーフレーム間の線をドラッグすることでフェードの変化を滑らかにする
※キーフレームを打つことで時間経過に伴って不透明度が変化する
キーフレーム間の距離でフェードの変化が変わる

<オーディオトランジションを使って音声をフェードイン・フェードアウトさせる方法>
※音声クリップには、トランジションエフェクトを使うと簡単
タイムラインパネルで音声クリップを選択
→ウィンドウから「エフェクト」「オーディオトランジション」「クロスフェード」
→「コンスタントゲイン」、「コンスタントパワー」、「指数関数的フェード」のいずれかをクリップの先頭または末尾にドラッグ&ドロップ
 コンスタントゲイン:音量が直線的に変化する
 コンスタントパワー:音のパワーが直線的に変化し、より自然なフェードになる。
 通常はこちらが推奨される。
 指数関数的フェード:急激に音が小さくなるフェード
※トランジションの長さを調整することでフェードの長さを変更できる。
※複数の音声クリップ間にクロスフェードを適用すると音がスムーズに繋がる。

<オーディオクリップのレベルを調整してフェードイン・フェードアウトさせる方法 (キーフレームを使用)>
タイムラインパネルで音声クリップを選択
→エフェクトコントロールパネルから「オーディオ」「レベル」ストップウォッチアイコンをクリック
→タイムラインの再生ヘッドを開始位置に移動
→レベルの値を調整
 フェードイン:開始位置でレベルを最小値(例:-∞ dB)に、徐々に大きくしたい位置で適切な音量(例:0 dB)にする。
 フェードアウト:開始位置で適切な音量(例:0 dB)に、徐々に小さくしたい位置で最小値(例:-∞ dB)にする。
※この方法では、より細かく音量を制御できる
※キーフレーム間の曲線を調整することでフェードの変化をより細かく制御できる。

<エッセンシャルグラフィックスで作成したテキストのフェードイン・フェードアウト>
エッセンシャルグラフィックスで作成したテキストにも不透明度を使ってフェードイン・フェードアウトを適用できる。
エッセンシャルグラフィックスパネルでテキストクリップを選択
→エフェクトコントロールパネルから「モーション」「不透明度」

フェードイン・フェードアウトを使用する場面
映像の開始と終了:
映像が唐突に始まったり終わったりするのを避けるため。
場面転換:
シーンとシーンの間を滑らかに繋ぐため。
音楽の導入と終了:
音楽が自然に始まったり終わったりするようにするため。
ナレーションの導入と終了:
ナレーションが聞き取りやすく、自然に聞こえるようにするため。

④テキストの挿入
・テロップ
<横書き文字ツールを使う基本的な方法>
ツールパネル「横書き文字ツール」(T)
→プログラムモニター上で、テロップを入れたい場所をクリック
→テキストを入力
→必要に応じてフォント、サイズ、色、位置などを調整(エッセンシャルグラフィックスパネルまたはエフェクトコントロールパネルを使用)
※テキスト入力と同時にタイムライン上にテキストクリップが作成される
※選択ツール(V)でテキストクリップを選択し、タイムライン上で長さを調整したり、位置を移動したりできる
※横書き文字ツールを長押しすると「縦書き文字ツール」も選択可

<エッセンシャルグラフィックスパネルを使う方法>
エッセンシャルグラフィックスパネルはテロップ作成と編集に特化したパネルで、より高度な表現が可能である。
「ウィンドウ」「エッセンシャルグラフィックス」
→「編集」タブで、テキストの追加、フォントの変更、スタイル(塗り、境界線、シャドウなど)の適用などを行う。
→「整列と変形」でテキストの位置やサイズを調整
→「アニメーション」でテキストにアニメーション効果(フェードイン、スライドインなど)を加えることができる。

⑤書き出しの仕上げ
音声ノイズの調整
<エッセンシャルサウンドパネルを使う方法 (初心者向け)>
タイムラインでノイズを軽減したいクリップを選択
→「ウィンドウ」「エッセンシャルサウンド」「編集」
→「修復」「ノイズ軽減」にチェック
→スライダーを調整してノイズ軽減の度合いを調整
※この方法は手軽にノイズを軽減できるが、細かな調整は難しい
※「ノイズ軽減」以外にも「明瞭度」、「低音の強調」、「ダイナミクス」などの調整も可能。

<エフェクト「クロマノイズ除去」を使う方法 (詳細な調整が可能)>
タイムラインでノイズを軽減したいクリップを選択
→「ウィンドウ 」「エフェクト」
→検索窓に「クロマノイズ除去」と入力し、「オーディオエフェクト」「ノイズリダクション/レストレーション」「クロマノイズ除去」をクリップにドラッグ&ドロップ
→エフェクトコントロールパネルで「クロマノイズ除去」の設定を調整
 フォーカスの処理:ノイズ除去の処理方法を選択
 量:ノイズ除去の強さを調整。
 数値が高いほど効果が強くなるが音質が劣化する可能性がある
 低音を保持:低音域の音を残すかどうかを選択
 詳細設定:より高度なパラメータを調整できる
※「量」の調整は音質とのバランスを考慮しながら行うことが重要
※「詳細設定」では周波数帯ごとのノイズ除去などを細かく設定可

<その他のオーディオエフェクト>
ノイズゲート:設定した閾値以下の音量をカットするエフェクト。
特定の音量以下のノイズを除去するのに役立つ。
パラメトリックイコライザー:特定の周波数帯域を強調または減衰させることで、ノイズを目立たなくすることができる。

映像ノイズの調整
映像ノイズとは暗い場所での撮影や高ISO感度での撮影で発生しやすい、画像のざらつきやちらつきのこと。

<エフェクト「ミディアン」を使う方法>
「ミディアン」には映像のノイズを滑らかにする効果がある。
タイムラインでノイズを軽減したいクリップを選択
→エフェクトパネルから検索窓に「ミディアン」と入力し、「ミディアン(レガシー)」をクリップにドラッグ&ドロップ
→エフェクトコントロールパネルで「半径」の値を調整。
値を大きくするほど効果が強くなるが映像がぼやける可能性がある
※「ミディアン」は、映像全体に適用される。
※背景のみノイズを除去したい場合はマスク機能と組み合わせて使用する。

<その他の映像エフェクト>
ノイズ除去:より高度なノイズ除去エフェクトを利用する場合、サードパーティ製のプラグインなどを検討するのも良い。

※注意点
・過度なノイズ除去は音質や画質を劣化させる:
ノイズを除去しすぎると音声がこもったり映像がぼやけたりする可能性がある。
元の素材の良さを損なわないよう適切なレベルで調整することが重要。
・複数のエフェクトを組み合わせる:
必要に応じて複数のエフェクトを組み合わせて使用することで、より効果的なノイズ調整を行うことができる。
・プレビューしながら調整する:
エフェクトを適用した後は必ずプレビューで効果を確認しながらパラメータを調整する。

⑥書き出しの手順
シーケンスを選択:
書き出したいシーケンスがタイムライン上で選択されていることを確認する
書き出しウィンドウを開く:
メニューバーの「ファイル」>「書き出し」>「メディア」を選択(ショートカットキーはWindows: Ctrl + M、Mac: Command + M)。
または、ワークスペース上部の「書き出し」タブをクリック。
書き出し設定:
書き出しウィンドウで必要な設定を行う。
書き出しを実行:
設定が完了したら右下の「書き出し」ボタンをクリック

Premiere Proの書き出しは動画編集の最終段階であり、非常に重要な作業。
設定項目を正しく理解し、用途に合わせた最適な設定で書き出すことで高品質な動画ファイルを作成することができる。
特に、ビットレートの設定は画質とファイルサイズに大きく影響するため注意が必要。