生成AIについて・続々(背景画の描き方)

<概要>

⚫︎背景画の描き方について
⚫︎生成塗りつぶし
⚫︎生成AIの活用例(おまけ)

⚫︎背景画の描き方について
⚫︎生成塗りつぶし

(復習)Adobe Illustratorで生成AIを使って背景画を描く方法は、主に「テキストからベクター生成」機能と「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」機能を利用する。
これらの機能を活用することで、テキストの記述や既存の画像をもとに、ベクター形式の背景画を生成できる。

  1. テキストからベクター生成
    テキストで指示を与えるだけで、その内容に沿ったベクターイラストを自動生成する機能。
    背景画のベースとなる要素や抽象的な背景を作成するのに適する。

    <手順>
    アートボード上に図形を作成(任意)
    →「生成」を選択
    →プロンプトを入力
    →生成を実行
    →イラストを選択
    →編集

    <プロンプトのコツ>
    ・具体的に記述
    ・スタイルを指定
    ・キーワードを活用
    ・種類を選択
  1. 生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)
    既存のベクター画像をもとに、AIが新しい要素を生成したりスタイルを適用したりする機能。
    既存の素材をベースに背景画を制作したい場合に便利。

    <手順>
    ベースとなるベクター画像を用意
    →画像を選択
    →「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」をクリック
    →プロンプトを入力
    →「生成(Beta)」をクリック
    →スタイル参照(オプション)

【共通のポイント】
・複数の機能を組み合わせる
テキスト生成で大まかな背景を作成し、生成塗りつぶしで細かい要素を追加するなど、複数の機能を組み合わせることでより複雑で表現豊かな背景画を作成できる。

・編集を前提に考える
生成AIはあくまで補助ツールであり、生成された画像をそのまま使うのではなく、Illustratorの編集ツールで加筆修正することを前提に考える。

・試行錯誤を繰り返す
プロンプトや設定を変えて何度も生成を繰り返すことで、より理想に近い背景画を作成できる。

・商用利用に関してはAdobeの利用規約を確認
生成された画像の商用利用に関しては、Adobeの利用規約を確認するように。

⚫︎生成AIの活用例(おまけ)

【生成AIで漫画の描き方】
生成AIを使って漫画を描く方法はまだ発展途上の分野だが、様々なツールや技術が登場しており制作の一部を効率化することが可能。

  1. キャラクター生成
    ・テキストから生成
    描きたいキャラクターの特徴(例:「金髪のツインテール、赤い目、ツンとした表情の女の子」)をテキストで入力し、AIに画像を生成させる。

    おすすめツール:
    Bing Image Creator(無料)、Midjourney(有料)、Stable Diffusion(無料)など

    ・既存のイラストを元に生成
    既存のキャラクターイラストをアップロードし、AIにバリエーション(服装違い、表情違いなど)を生成させる。

    おすすめツール:
    MyEdit(無料プランあり)など

    <注意点>
    生成されたキャラクターはそのまま使用するのではなく、作風に合わせて修正・加筆することを前提にすること。
    著作権や利用規約にも注意が必要。
  1. 背景生成
    ・テキストから生成
    描きたい背景のイメージ(例:「夕焼けの教室」「未来都市の路地」)をテキストで入力し、AIに画像を生成させる。

    おすすめツール:
    Bing Image Creator(無料)、Midjourney(有料)、Stable Diffusion(無料)など

    ・既存の写真やラフスケッチを元に生成
    写真をイラスト風に変換したり、ラフスケッチを元に背景を仕上げたりする。

    おすすめツール:
    Adobe Photoshop (生成塗りつぶし)、Canva (マジック拡張)など

    ・3Dモデルと組み合わせる
    3Dモデリングソフトで作成した背景に、AIでテクスチャやディテールを追加する方法もある。

    <注意点>
    背景もキャラクターと同様、そのまま使用するのではなく作風や構図に合わせて修正・加筆が必要。
  1. コマ割り・ネーム生成
    ・テキストからネーム生成
    物語のプロットやあらすじを入力することでコマ割りやセリフの草案をAIが生成する試みも研究されているが、まだ実用レベルには達しておらず、今後の発展に期待。
  1. セリフ生成
    ・物語の状況やキャラクター設定から生成
    まだ発展途上だが、キャラクターの性格や状況に合わせてセリフの候補を生成する技術も存在する。

    <注意点>
    生成されたセリフは不自然な場合もあるため、必ず人間が確認・修正する必要がある。
  1. 効果線・トーン生成
    ・画像加工ツールで補助
    一部の画像編集ツールでは、効果線やトーンを自動生成する機能が搭載されている。

◼︎漫画制作におけるAI活用の流れ(例)
プロット作成:物語のあらすじや展開を考える。
キャラクターデザイン:AIでキャラクターのベースを生成し手描きで修正・加筆。
ネーム作成:大まかなコマ割りやセリフを考える。
背景作成:AIで背景のベースを生成し、手描きで修正・加筆。
作画:キャラクターと背景を組み合わせて描き込む。
仕上げ:効果線やトーン、セリフなどを追加。