Webコンサルティングという仕事について

<概要>

⚫︎コンサルティングとは?
⚫︎Webコンサルタントという仕事について
⚫︎コンサルティングに必要なスキル

⚫︎「コンサルティング」とは?
→一般的に「企業経営などについて相談を受け、診断・助言・指導を行う」ことをいう。

「コンサルタント」とは?
→課題を抱えている企業や機関等から依頼を受け、その解決に向けた支援活動を行う職業。
業界によってどのような課題を解決していくかは異なるものの、どのように課題を解決していくか、依頼されている「課題」を細分化し、それに対する改善策をチームで提案・実施していくのが仕事。

★企画を考える
実際に決まった企画に対して手を動かすデザイナーも、もちろん素敵なお仕事だが、より上流の戦略設計やそれに伴う企画提案ができる人材は強い。
これからのキャリアステップとして、ディレクション→コンサルティングとステップアップしていくことも可能。

企画例)

⚫︎Webコンサルティングについて

・Webコンサルとは何?
Webを活用してクライアントの売上・利益を上げる支援を行う仕事。 Webを活用して商品やサービスが売れる仕組みを作り出すWebマーケティングの仕事とほぼ同義であるとも言えるため、「Webマーケティングコンサル」と呼ばれることもある。

何をする?
クライアントのWebサイトを調査・分析して関連する課題・問題を炙り出し、改善策・解決策を実際の施策まで落とし込むサポートをすること。
Webを活用する企業・店舗からの依頼に応じて、専門的な知識を駆使したアドバイスを与え、目的・ゴール達成をサポートする。

将来性は?
IT専門調査会社 IDC Japanのレポートによると、2017年には3921億円であったコンサルティング業界の市場規模が、2022年までの5年間で5612億円にまで到達すると予測されている。
なお世の中の動きとして、インターネットの急速な普及によりWebサイトからの売り上げを伸ばしている企業が増えている。
また、Webサイトだけでサービスを展開している企業も多く、ユーザーにサービスの利用を促す施策を打つ必要性が高まっている。
Webコンサルタントの仕事は、クライアントの経営戦略に基づくWeb開発や制作、運営に関するコンサルティングを行うことであり、Webサイトの問題の発見や解決策の提案、戦略立案などを中心に、効果的にWebサイトを活用できるようサポートする。
企業のさらなる発展のためにも、Webコンサルタントは貴重な存在といえる。

やりがいは?
丁寧なヒアリングと分析・提案によってクライアントの信頼を勝ち取ることができたときの達成感はひとしお。
クライアントと同じ目線に立ち、自分が提案した解決策でビジネスの成功を目指せることは、Webコンサルティング営業の大きなやりがいといえる。

年収は?
平均年収は、相場としてだいたい500万円~800万円と言われている。
役職につくと600万円以上になるケースも少なくはない。
30代後半では年収1,000万円以上になるコンサルタントもおり、フリーランスのコンサルタントとして独立してさらに収入を上げる人もいる。

業務の一例↓

基本的なWebコンサルティングの流れ(例)サイト改善)↓

つまり…
Webコンサルティングの範囲は広く、経営目線でのWeb戦略・活用のコンサルティングからロードマップ策定まで行う。
全社的なWeb戦略や事業計画に関する施策はDX支援に相当する内容。
一方で集客支援・サイト改善・データ活用などのコンサルは、Webマーケティングコンサルに相当する支援を提供する。
このように、ひとくちにWebコンサルと言っても業務内容はさまざま。
課題が言語化できていないと「どんなコンサルを依頼すべきか・どんなコンサルを実行すべきか」曖昧になりがちなので、何が必要かを事前に見極めることが重要。

※DXとは?
「Digital Transformation」の略語で、日本語では「デジタル革新」や「デジタル変換」という意味の言葉。
スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した概念といわれている。
同氏によるとDXは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ものだということ。
一般社団法人日本能率協会が2021年7月20日~8月20日に実施した「経営課題調査」におけるDX関連の調査結果によると、現状、DXに取り組む企業が45.3%と昨年より大幅に増加。
大企業では6割超に取り組みの成果が出ている。
ただし「ある程度の成果」が4割と多数。
また、DXで重視することは「既存の商品・サービス・事業の付加価値向上」が91.4%と最多で、「抜本的な事業構造の変革」は74.4%とやや低めに。
推進の課題として、「DX推進に関わる人材が不足」を挙げる企業が9割。
「ビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」「事業への展開が進まない」も多数挙がった。

※Digitization・Digitalization・DXの違い
デジタイゼーション(Digitization)
アナログ、物理データをデジタルデータに変換すること。
DXを実現するための最初のステップが、このデジタイゼーション。
例えば、紙やFAXでやり取りしていた請求書をPDFなどのデジタルデータにすること。
また、音楽ソフトがレコードやCDからデータ配信に変わったケース、本や漫画などが電子書籍化したケースなどもデジタイゼーションといえる。

デジタライゼーション(Digitalization)
業務や作業そのもの、または業務・開発フローなどをデジタル化すること。
デジタルツールやテクノロジーを活用して業務効率化や自動化を実現したり、業務・生産フローを効率化したりする活動といえる。
デジタライゼーションによって業務効率化や生産性向上を果たすことで、企業の競争力向上や新規事業、サービス開発ができる土台ができあがるため、DX実現のためにはなくてはならないステップといえる。
事例としては、契約業務のペーパーレス化などが挙げられる。
契約書の作成からやり取り、押印をWeb上で実施できるようにすることで、担当者がいつでもどこでも作業を行うことが可能。
また、契約書がデータ化されることで、保管スペースが不要になり家賃軽減につながる点や、過去の契約書を検索するときも簡単に見つかる点も大きなメリットである。

デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタイゼーションやデジタライゼーションといったデジタル化を経てビジネスモデルの変革を起こす活動のこと。
組織体制や業務・開発フローを抜本的に見直し、生産性や市場における競争力を高めることで、顧客に新たな価値を提供できる新規ビジネスを創出。
人々の生活を豊かにするだけでなく、企業の収益向上も実現するステップといえる。

例)
Digitization
「ビデオ→DVD」といった、映像ソフトのアナログからデジタルへの変革
→Digitalization
映像データ(AVI、MP4など)のデジタル配信によって、物理的なメディアが消滅
→DX
NetflixやHuluなどのサブスクリプションサービスの普及によって、月額定額で見放題のビジネスモデルが当たり前になる。
映像ソフトは所有するものから共有するものへと変革。

⚫︎Webコンサルタントに必要なスキル
1.幅広いWebの知識
例えば、Webマーケティングの戦略立案に必要なSEOやリスティング広告、DSPなどの知識を身に付けることが必要。
また、実際に作業を行わなくてもWeb業界に関わる以上はHTMLやシステムに関する知識も身に付けなくてはならないし、クライアントの業界に関する知識や、その業界の流行なども押さえておくことも重要。
コンサルティングを依頼する立場からすれば、Webやクライアントの業界に関する知識量は企業を選定する際の重要な判断基準となる。
そのため、自分の興味がない分野や業界でも意欲的にアンテナを張って、常に新しい情報を収集しようと思う心掛けが大切。
単純にWebページを作れる技術は勿論、デザイン論もしっかり身につけていくことが、選ばれるコンサルタントへの道。

2.問題解決力・論理的思考力
クライアントのWebサイトの問題点を発見し、解決策を提示するスキル
が求められており、解決の糸口がなかなか見つけられない問題でも、問題を分析して本質を見抜かなくてはならない。
また、クライアントの商材や予算に合わせて最適なマーケティング戦略を提案する論理的思考力も求められる。
クライアントの課題解決のためには「Webサイトを効果的に運営するためにはどうあるべきか?」という点を論理的に整理して、時には根本から組み立て直す必要があり、自分が考えた解決策をクライアントに納得してもらうためにも論理的に考える癖を身に付けることが大切。
目的意識を持って、生産性を意識して、利益に結び付く事をしっかり考えていく必要がある。

3.コミュニケーション能力
Webコンサルタントはクライアントが抱える問題点を発見し、解決策を立てるために数多くの情報を聞き出す必要があるため、相手の意見を正しく理解し、自分の考えを分かりやすく伝えることが非常に重要。
また名前に「コンサルタント」と付くだけあり、Webコンサルタントは人と関わることが非常に多い職業。
プロジェクトの成功は、クライアントとの関係だけでなく、自社のチームや協力会社と良好な関係を築くことも求められる。
ここでいうコミュニケーション能力とは、いかに相手を信頼し、信頼してもらえるかという意味である。

★コンサルタントを目指す人は…
常にアンテナを張り巡らせ、あらゆる情報を入手するよう意識することが必要不可欠。
また、デザイナーとして活躍していきたい場合も同様に、コンサルティングの考えと意識を高く持ってみることで、より高い評価を得られる場合が多く、上位のデザイナーになれる。